※イルーゾォとターゲットの追跡中

「イルーゾォ、あいつこっち来る!」
「はっ!?隠れ…間に合わない、ごめん!」
気づけば私はイルーゾォの体に隠れるように壁に押し付けられていた。向こうから見たら私の姿はほとんど見えなくって、ただカップルがいちゃついてるだけに見えるだろう。

…けど、近すぎる。イルーゾォはチームのメンバーの中では穏やかな方だ。だから気づかなかったけど、意外と身体は大きくてたくましい…。そういえば身長もほとんどリーダーと変わらないんだったな。いつも話すときには少しかがんでくれて、それをあまりにも自然にやるから忘れてた。

そう意識したら変な風にどきどきしてしまって、ターゲットが過ぎ去って身体が離れてからも、なんだかどきどきして顔をあげられなかった。「大丈夫だったか?ほんとにごめんな」なんていつもどおり優しく言うイルーゾォが、私なんか全然意識していないみたいでちょっとだけ悔しい。


2019.01.15