「いやああああ!!!」

叫び声とバチンと大きな音が響いて、ギアッチョはまた始まったと溜息を吐いた。めんどくさいので放っておきたいけれど、放っておくともっと大きな声で泣きわめく女の声なので重たい腰を上げる。

「おいメローネ、てめぇ何やってやがる」
「ギアッチョ〜〜!」

扉を開けると、着替え中で下着にシャツを羽織っただけのが泣きながら駆け寄って来た。その背後にはの服を持ったままのメローネ。今日は着替え中にちょっかいを出したらしい。の背中に腕を回してメローネからかばいながら、その腕の服を奪い取って渡してやるとありがとうと言いながら背中に回り込んで服を着始めて、ここに来る前と同じ溜息を吐いた。

「ギアッチョずるい!半裸のに抱き着かれるなんて!」
「うるせえ黙ってろ。、向こう行ってろ」
「うん、ありがとぉ…」

振り返るとうるんだ目で見上げて頷いて、はリビングへ足音を立てて入って行った。

「…さて」
「あれ、ギアッチョさん、もしかして怒ってる?」
「あん?あたりめーだろ、覚悟できてんだろうな」
「まっ…て、そうだ、合意、合意の上だったんだよ!」
「あんなに泣いてんのにか?」

パキリ、と指が鳴る。

「嘘です!認めたんだからやめて、ちょっと、ギア、あっ、スタンドはダメだろ…!」
「ホワイト・アルバム!」



「今日は何されたんだ?」
「着替えてたらメローネが突然入って来て、手伝ってあげるって脱がされた…」

メローネを氷漬けにしてリビングに戻ると、ホルマジオとイルーゾォに挟まれてメソメソしているがいた。着替えの邪魔をされたどころの話ではなかったらしい。

「メローネなら部屋で凍ってんぞ」
「あ、ギアッチョ、ありがとうね…助かったよ」
「気にすんな」

でかい男2人の間でより小さく見える頭を潰すようにぐしゃりと撫でた。目は赤いし話す声はまだぐずぐずしているけれど、もう泣き止んではいるみたいだ。

「はあ…、かわいそうだから、メローネ溶かして来るね」
「もういいのか?」
「うん。ホルマジオとイルーゾォもありがと」

そう言って部屋に戻ったの悲鳴が再び聞こえるのは、ほんの数秒後だった。

「いやああ!触んないで!!」
「なんで逃げるんだ!スキンシップだろ!?」
「それはセクハラ…ッ!やだー!誰かー!!」


スキンシップじゃなくてセクハラです



(あいつも凝りねぇな…)



お題:確かに恋だった 変態に恋されてしまいました5題